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「タウ」 静かに、言葉を紡ぐ。 「生き延びろよ。行って欲しくない。だが、どうしても行くなら……たとえ全てを滅ぼしても、絶対に生きてくれ」 唇を合わせる。別れのキスじゃない。もう一度手を繋ぐための、誓いの口付け……僅かに、血の味がした。 どれほどの時間、そうしていただろう。ゆっくりと唇を離すと、少女は笑みを浮かべた。 生まれて始めて目にする、優しげな微笑み。 「りょう、すき」 その言葉と、魂に刻み込むような微笑みを残し。少女は走り去った。 コムニーから雑音が響く中、そっと唇に触れる。 そこに、柔らかな感触は残っていなかった……
@ @ @
(まだだ、まだ、生きている。見届けなくてはならない…少しでも近くで) 『大丈夫です。もう、大丈夫』
落ち着いた知性的な口調。私達の知っているつたない言葉ではない。だが、それは間違いなくタウの声だった。
『私はリヴァイアサンを支配下に置きました。でも、今は維持で精一杯。機構軍に対して強力な攻撃行動を行うには、もっと支配が進まないと―――』 |