郭斗の拳 第二部「健斗に鉄拳?」 其の壱
登場人物 ラブレターの少女&お友達〜ズ 著 カラス
「ねぇ。あれから健斗くんから返事、来た?」
「……(首を振っている)」
「あ〜。恋人いるって話しあったもんね」
「でも、返事ぐらい普通はするよね」
「複数の子、競わせて選ぶ…みたいな話しもあったし」
「相手にされてないとか?(小声)」
「……(半泣き)」
「あっ!……で、でもアンタもアンタだよね。それでもいいって、告白したんだからシャンとしなさいよ」
「……(頷いてから、すがるような目)」
「わ、分かったわよ。応援するって言ったしね。ここは任せてよ」
「女心をもてあそぶ極悪人、臥龍健斗」
「どうしてくれよう…」
風雲急をつげる第2部。ついに開幕!!
登場人物 ラブレターの少女&お友達〜ズ 著 カラス
「何それ?ひょっとして、健斗くんにお弁当作って来たの?」
「……(頷いている)」
「うんうん。積極的になったのはいいけど、それは駄目!」
「……(首をかしげる)」
「いい。健斗くんにお昼のお弁と作ってきてるのは、ありす先輩とピアちゃんが確認済み。競争率高いの」
「アナタ、ありす先輩より美味しいお弁当作る自信ある?」
「……(うつむいて首を振る)」
「でしょう。ところで、何作ってきたの?ちょっと見せて」
カポッ
「サンドイッチか。これなら手はある!」
「!!」
「これなら、ちょっとお腹が空いたときに食べれるでしょ。だから、クラブが終ったころ部室に行くのよ!」
「これで、先輩達とも差が付けれるよ」
「で、どうするの……」
「まあ、あの子もやる気になってるし、健斗くんの様子を見て、それからだね」
「あの子を泣かしような事をする男だったら…許すまじ」
「あの………。健斗くん、いますか?」
登場人物 臥龍健斗+α 著 でっどうるふ
「ん?臥龍健斗か?それなら、今、そこに・・・悪いが、用があるんなら、もうちょっと待ってくれないか?」
指さした方には、サンドバックを蹴っている健斗の姿が。
(ちょっと待て。あの娘(こ)って、まさか・・・・・・)
(だよな・・・どう見ても。)
どうも「ラブレターの少女」は、じつは結構、学校の中じゃ有名な存在らしい。
なぜか?そりゃ、決まってる。
普通に考えて、女の子が有名になる理由など、ひとつしかない。
その頃、健斗は健斗で、彼なりに悩んでいた。
(あんなのもらっちゃったけど・・・やっぱり、返事書かないと、まずいよな・・・)
(しかし・・・手紙なんて書いたこともないし・・・・・・)
(それに、何を書けばいいのか・・・・・・)
(大体、もらってからかなりたったしな・・・余計に書きにくい・・・・・・)
(・・・・・・ん?誰かが僕のことを言ってる?)
(あ・・・彼女は・・・・・・)
登場人物 ラブレターの少女&お友達〜ズ 著 カラス
「あ、ハイ……。分かりました」
「あ、健斗くん。その、…………………
サ、サンドイッチが、減ってたら、おなかに、お弁当箱が!」
(な、何言ってるんだろ……)<真っ赤
「い、いらなかったら、食べなくていいから!」
グッ(お弁当を健斗に押し付けけて、渡す)
タタタ………………
登場人物 臥龍健斗 著 でっどうるふ
え、あ、ちょっと待って!
行っちゃった……
(まいったな…いろいろと、言わなければならないこと、あったのに……)
(箱返しに行った時にでも…かな?
手紙書くよりも、口で言った方が…ね。)
えっと、サンドイッチって言ってたな……
……ぱく。
(……ん…いける…かも……)
(……そういえば、返す以前の話で…彼女って、どこのクラスだ!?)
……で、大変な苦労(そりゃもう、ここで書くのがつらくなってくるほどの苦労!)を経て、
どうにか彼女の教室を探し当てた健斗。
(えっと…ここだよな……)
(がらっ)……失礼します。
次第に感じられる嵐の予感。
臥龍健斗は彼女にいったい何を言うつもりなのか?
そして少女の恋の行方は!?
次回を待て。
登場人物 フランソワ 著 煉
「あれ、健斗君だぁ〜♪」
(抱きつき!!)
「こんな所で何やってるのぉ〜★
あっ、そうそう☆今日も放課後に行くねぇ〜☆ミ」
登場人物 ラブレターの少女のお友達〜ズ 著 カラス
「あれ?教室の前にいるのは…」
「健斗くんに、フランソワちゃん?」
「な、何してるの。あの二人?」
「まさか、わざわざ見せつけに……」
「ク、腐れ外道め」
「どうする……」
「とりあえず、JACのメンバーに会いに行こう」
「ねぇ、臥龍健斗に天誅下したいんだけど、手伝ってもらえないかな?」
登場人物 臥龍健斗+JAC 著 でっどうるふ
「天誅?なんだか知らんが、そいつぁ穏やかじゃねえな。まあ、話だけは聞こうじゃねえか。」
「なるほど・・・ま、事情は大体わかった。そういうことなら、協力しよう。」
「へ?会長?」
「こんなおもしろそうな事に手を出さない理由があるか?いや、ない!」
・・・・・・あなたって人は・・・それだけの理由かい!?
まあ、体育会系にはよくある話かもしれんが。
「で、お前らはどうする?」
「オス、同行させていただきます!」
「俺もやります!」
「ほお・・・意外に乗り気な奴が多いな。」
(健斗の野郎・・・あの娘のファンだったんだぞ俺は!絶対許すまじ。)
(フランソワちゃんに抱き着かれただぁ!?俺はまだ一度もねーんだぞ!)
(まあ、最近ストレスたまってるし、健斗の奴なら打たれ強そーだから、ちょっとぐらいはいいか・・・・・・)
かくも様々な思惑をはらみつつ、いよいよ復讐劇は幕を開けようとしていた!
「はあ・・・いつもながら、うちの連中って・・・・・・」
「で?俺たちは何すればいいんだ?」
その頃健斗君は・・・・・・
「だ、だから放してくださいよ、暑いじゃないですか!もう6月に入ったのにくっつかれると・・・・・・」
・・・・・・フランソワ相手にまだ苦戦していた。
登場人物 ラブレターの少女=清和みゆり 著 カラス
白桜学園図書館にて…
(え〜っと。 お弁当のおかずが載ってる本は…)
(あ、スライさん。
そう言えばスライさん、この前フランソワさんにお弁当作ってきてたけど………
お料理得意なのかな…?)
「あ、あの、スライさん。
ちょっと聞きたい事があるんですけど…………
いいですか?」
登場人物 I・スライサー 著 煉
「ん?あ、みゆりちゃんじゃない。
さん付けはしないでっていつも言ってるじゃない(苦笑)
で、どうしたの?」
「……………ふーん、お弁当かぁ……
健斗君に作ってあげるんだね?
アハハ、そんなに焦らなくても良いじゃない。今や本人以外皆知ってるよ。(^^)
うん。得意って言うか、ぼく一人暮らしだからね。作らないと生きていけないんだよ(笑)。
ぼくがよく参考にしてるのはこの本だけどね。解りやすくて美味しいのが多いよ。借りて読んでみたら?
じゃ、ぼく晩御飯と明日のお弁当の買い出しがあるから……って、その目は何(^^;;」
登場人物 ラブレターの少女のお友達〜ズ&JACの皆さん 著 カラス
「で、俺達に何して欲しいんだ?」
「まずは健斗くんの事、詳しく教えて。策はそれから練るから」
「まだ、何も考えてなかったのかよ?」
「健斗くんに最も有効な天誅を下したいからね…」
「ヘぇ、強敵と書いて友と読むね〜」
「ライバル同士に生まれる男同士の友情って奴だな」
「ふふ。それ使わして貰いましょうか……。題して!!」
『偽手紙で、友情の絆チョンギリ心の支えを無くしてしまおう作戦』
「昔の健斗くんの性格なら、相手に確かめずにウジウジするだろうし」
「次の試合になれば誤解も解けるか。ちょっとしたお仕置きには、ちょうどいいか」
「そのライバルの事私達知らないし、手紙書くのはJACの皆さん、お願いね。じゃぁね〜」
「………まぢ?」
「大マヂ!チェックと採点ぐらいはしてあげるから。頑張ってね☆」
登場人物 臥龍健斗+α 著 でっどうるふ
「ほれ、書いてきたぜ、こんなところでいいか?」
なんて恐ろしい陰謀が張り巡らされているとはつゆ知らず、
ひとり自己鍛練にはげむ健斗君。
いつもの通りのランニング、しかし、その脳裏に浮かぶは……
(まいったな……)
(手紙の返事はまだだし、お弁当のお礼もまだだし……)
(とにかく一度会って、ちゃんと話さないと……)
(……でも……)
(……会ったところで何を話せばいいんだろうか……)
登場人物 清和みゆり 著 カラス
「えっと、あの………
スライ、、、さん、これからお買い物だったら、
私も一緒に………だめですか?
あ、あと、その……
その、お料理も教えてもらいたいんです……
けど、だめですか?」
登場人物 I・スライサー 著 煉
「………………………………(大きな溜息)」
「あ、いや、なんでもないよ(^^;;
しょうがない、乗りかかった船だしね、とことん付き合ってあげるよ。
だけど、一つだけ約束してくれるかな?
破ったらもう教えないからね」
「いや、そんな難しい事じゃなくて。
二度とボクのことを『スライさん』なんて呼ばない事。
ボク達、同級生なんだから。そう言う風に言われるとなんかくすぐったいんだよ。(苦笑)
じゃ、行こうか?」
(あーあ……どうしてここで断れないんだろ……
好きな人にお弁当って感覚、ボクには解らないんだけどなぁ……)
登場人物 清和みゆりの友達〜ズ 著 カラス
「うん。手紙はこれでOKね」
「ダラダラと書かずに、スパット結論をだす」
「健斗くんの想像掻き立てるにはいいわね」
「それじゃ、JACから渡しておいてね。その方が自然だから」
「フフフ。さあ臥龍健斗…。苦しむがいい!」
「すっごく悪役な言葉……」
「……演劇部で、魔女の役やるんだって」
登場人物 臥龍健斗+α 著 でっどうるふ
いつものトレーニング風景。
「土佐さん?」
「ん?」
「奥さんと出会った時って……どんな感じでした?」
「……え?どうしたんです、いきなり?」
「いえ……ちょっと、いろいろありまして……」
「……参りましたね……あまり言い過ぎるとノロケになりますから、そんなにたくさん話すわけにはいきませんけど、まあ、少しだけなら……」
……その後、健斗君が土佐遼から延々とノロケ話を聞かされる羽目に陥ったのは言うまでもない。
「……まあ、こんな具合かな?」
「そうですか……出会ってから10ヶ月……」
「まあ、ね。相手のこと、自分のこと、その両方のこと……それを考えて、最終的な決断を下すには、それくらいは必要じゃないのですか?」
「シューの嬢ちゃんの方はひとめぼれだったんだろ?」
「って、山さん!いつの間に!?」
「ついさっきだ。まあ、かく言うオレの時にもな……」
……その後、頼まれてもないのに山口が自分の体験談を長々と話してくれたのは、言うまでもない。
「……と、まあ、そういうことだ。」
「ひとめぼれの相手を追っかけに追っかけて、それでうまくいった……ですか……」
「まあ、な。最後の最後でポシャったが……で?坊主はどうするんだ?」
「え!?」
「好きな娘(コ)でもいるんだろ?じゃなきゃ、ラブレターでももらったとか。」
「……そ、そんなことは……」
「でなきゃ、わざわざ土佐ちゃんにそんな話聞いたりはしねえ。ま、参考にゃならなかったたぁ、思うがな。」
「私と山さんとじゃ、全く正反対でしたからね……こればっかりは『人それぞれ』としか言いようのないところですね。」
「はあ……」
……結局、何も状況に変化のない健斗君であった。
余談ながら。例の偽手紙の件であるが、
「完全に黙殺された」とだけ言っておこう。
本物であれ偽物であれ、健斗君にとっては当面は無視できる問題であった。
登場人物 清和みゆり 著 カラス
「あっ、スライ……………………さん、待って下さい。
か、鞄がまだ教室に。
あっ、あっ、置いて行かないでください」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ
ス、スライさん、歩くの速いです……」
「え……。でも、なんて呼べばいのか…
分からないので………
スライさんでは、駄目ですか?…………」
登場人物 清和みゆりの友達〜ズ 著 カラス
「無視!?」
「くっ。あんなに頭をひねらせた手紙作戦がこうも簡単に」
「こうなったら次の手ね」
「でも、もうライバルは使えないはね……」
「ふっ。古今東西スキャンダルは公開すると相場が決まってるのよ……題して!!」
『校内新聞で健斗の四股大公開。白い視線に耐えられるか!作戦』
「見てなさい。ワイドショーの基本は大袈裟な報道にあるのよ!」
「嘘は書いちゃ駄目よ。反論の糸口を与えるから」
「分かってる。嘘は書かないわ。……嘘わね」
登場人物 I・スライサー+α 著 煉
「だからぁ〜、ちゃんづけでも呼び捨てでも良いってばぁ。
フランソワちゃんだってボクのことちゃん付けで呼んでるでしょ?
今度さん付けで呼んだら本当に教えないから……ね♪」
(買い物かぁ〜、健斗君だけは差し入れあんまり食べないんだよねぇ。何が好きなのかな?…………ん?)
「今、健斗君が四股とか聞こえたんだけど……一体何やってるの?」
登場人物 清和みゆり&友達〜ズ 著 カラス
「あれ?スライちゃんにみゆり。変わった組み合わせじゃない。どうかしたの?」
「ふ〜ん。スライちゃんに料理習うんだ」
「……(頷いている)」
「うん。頑張ってね!」
バン!<肩を叩いた
「ケホッケホッ(咳き込んでる)」
「ご、ごめ〜ん、みゆり。ちょっと力入っちゃった」
「それじゃスライ。みゆりの事、頼んだわよ」
「私達は部活あるから。…みゆり、挫けず頑張ってね」
「……(力いっぱい頷いてる)」