(……ん?ここは?)
意識の戻った土佐遼が最初にやったことは、周囲を見回すことであった。
見渡す限り、あたり一面、何もない。
とりあえず、自分がいるべき場所ではないことだけは明らかであった。
(ま、まさか……ここが噂のバ○ストン・○ェル?それともエ○ハザード??)
なんて勝手な想像をする土佐。そのとき。
「バイス○ン・ウェ○でもエルハ○ードでも、ましてやサン○オピュー○ランドでも○張○ッセでもありません……」
おそらく女性の声。
「うわっ!?なんだいきなり?誰だ?」
「貴方をここへと引き寄せたものです……端的に言いましょう……」
「ちょっと待ってくれ。それよりも先にこっちの質問に答えてほしいのだが……ここはいったいどこなんだ?」
混乱しているせいか、いつもの敬語口調が完全に消えている土佐。あるいはこっちが本性か?
「この世界は危機に瀕しています……」
「おい、人の話しを……」
「このままだと超獣ルナチクスによってこの世界は破滅してしまいます……」
「いきなりマイナー極まりないネタを……」
作者が「名前への一部ボカシなくとも大丈夫であろう」と判断したくらい、どマイナーである。一応はウル○ラマンシリーズの中では重要な役割を担っている超獣(怪獣じゃないのがミソ)ではあるのだが。
「……って、ことは、ここは……まさか……」
空を見上げる。
巨大な青い天体が、そこには見えた。
「……月……」
「……あなたの時代では、そのように呼ばれているようです……その時代より、数億年前の世界……」
「……」
細かいことは考えないようにしたらしい。
「……とにかく、私たちの世界を救っていただきたく……」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。だから、なんで私がそんなことを……」
「……まさか、やらないと?」
心なしか、声の質が変わったような?
「おんどりゃぁ、人が下手にでてりゃいい気になりゃあがって、こっちがこんなに頭下げてやったんだから、そっちゃ素直に引き受けるのが筋っちゅうもんだろうが!あなたみたいな人は客じゃなくって、クレーマーっていうんですよ!?わかりますか!?クレーマー!!!」
……あまりの怒りに、途中からわけわからん言葉が入っている。とりあえず、逆ギレされたのは確からしい。
しかし、ここで引き下がるわけにはいかない。一刻も早く、愛するマイパートナーのもとへと戻らねばならぬのである。
「……お断りします。私は外部の人間ゆえ、内政干渉とおぼしき真似は……」
この論理も十分に意味不明である。
「……ふう、仕方ありません、たしかに、強制させるわけにもいきません……あなたが自発的に取り組めるまでお待ちしましょう……先生!」
先生と呼ばれて一人の男が出てきた。
「お願いします……」
「任せてくれ……さ、行くぞ!」
「へ?ちょ、ちょっと、どこへ……」
「先生」と呼ばれた男に連れて行かれる土佐。
そして、しばらく後。
「あの強情な男を落とすとはさすが先生……しかし、一体どうやったんです?」
「なあに、啓○セミナーに参加させて、そこで○薬とロ○トミー手術やっただけですよ」
「さすがは先生……」
彼の名はSAMAYA。某・今はなき「ビジュアル系バンド」ボーカルを自然派アーティストへと転身させたり、某横綱兄弟を仲違いさせたり、某歌手を数万人が合同で行う結婚式へと参加させたりと、さまざまな活躍を行っている謎の男であった。